共同利用拠点の目的

所長あいさつ

本研究所は、1916 (大正5) 年に臨時理化学研究所第2部として誕生し、2016年に100年を迎えました。全国の国立大学附置研究所の中でも最も古い歴史を有する研究所です。設立当初は鉄鋼の研究が中心でしたが、その後鉄鋼から金属・合金全般へと研究領域を広げ、さらには非金属をも含む物質・材料全般をカバーする基礎および応用研究の世界的中核拠点に発展しました。1987 (昭和62) 年には東北大学に附置したままで全国共同利用型の研究所に改組され、さらに2009 (平成21) 年には材料科学共同利用・共同研究拠点に認定されました。しかし、実際には、そのはるか以前から全国に開かれた研究所として、多くの共同研究者を受け入れてきました。1952 (昭和27) 年に本研究所は日本で初めてヘリウムの液化機を導入しましたが、当時は液体ヘリウムを使う実験を行うために、全国から研究者が本所に集まってきたという歴史があります。
材料科学コミュニティーを先導することをミッションとする本研究所にとって、共同利用・共同研究は最も重要な事業の一つです。今後も最先端の研究設備の整備と優秀な人材の結集により、国内のみならず国外の研究者にとっても魅力ある共同利用・共同研究の場を提供していくことに努力してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

共同利用拠点として

本研究所は、平成21年に文部科学省から材料科学分野の全国共同利用・共同研究拠点に認定されました。金属および関連する広範囲な物質・材料の学術・科学技術の先端研究に卓越した研究者コミュニティをリードする中核的研究拠点 (COE) として、我が国はもとより全世界から研究者が集まり、研究部門との共同研究ならびに施設設備利用型の共同研究などをますます活発に展開しています。(沿革冒頭から抜粋)
本所研究部および各センターが共同利用委員会を設置し、かつ運営協議会の意見の下、緊密に連携しながら材料科学の中核研究拠点として毎年度約400件の共同研究を推進しています。

共同利用拠点の目的

本研究所の研究部門および各センターの有する世界最先端の優れた研究設備や知的資源を、全国および世界の材料科学研究者・コミュニティに組織の枠を超えて開放し共同利用・共同研究を実施することにより、材料科学分野における学理とその応用に関する先導的発信を展開し、分野の発展に貢献することを目的としています。

沿革

1916(大正5) 東北帝国大学理科大学に臨時理化学研究所第2部発足
1987(昭和62) 全国共同利用研究所へ改組、公募による共同研究開始
1991(平成3) 強磁場超伝導材料研究センター設置
1996(平成8) 極低温科学センター設置
2002(平成14) 材料科学国際フロンティアセンター(IFCAM)新設
2004(平成16) 附属材料試験炉利用施設を附属量子エネルギー材料科学国際研究センターと改称
2005(平成17) 附属新素材設計開発施設を附属金属ガラス総合研究センターと改称
2008(平成20) 国際共同研究センター(ICC-IMR)設立
2009(平成21) 全国共同利用・共同研究拠点に認定
2010(平成22) 計算材料科学研究拠点に認定、計算材料学センター設置
2013(平成25) 附属金属ガラス総合研究センターを附属新素材共同研究開発センターと改称