物質創製研究部

結晶材料化学研究部門

Takahiko SASAKI

教授(兼)佐々木 孝彦

  • 准教授 岡田 純平

界面現象の操作で新しい結晶成長を切り拓く

 高度情報化社会を支えているエレクトロニクス、オプトエレクトロニクスの分野でそのキーとなる機能性材料やデバイスの発達は、関連する単結晶の探索に大きく依存してきました。本部門は、結晶成長過程における界面現象と育成された結晶の特性の関係を明らかにするといった立場から、主として融液からの結晶成長に取り組んでいます。特に、電場、磁場、あるいは応力場といった“外場”を界面に印加したり、また、融液に対し熱処理やあるいは攪拌混合などの機械的操作を加え、結晶―融液間の自由エネルギー関係を調整することで、界面ダイナミックスを人為的に操作するといった新しい手法の結晶成長法を目指しています。こうしたアプローチを組み合わせることにより、21世紀高度情報化社会に必要な、光学、圧電、磁性等の分野で有用な新結晶や、従来育成が困難とされていた結晶の創製を可能にしていきます。

結晶成長、化学ポテンシャル、外場印加、溶質分配
コロイド結晶を用いた原子・分子スケールでの結晶成長

真のコングルエント成長では急激な成長速 度の変化(摂動)に遭遇して も組成変動はない。Mgをドープしたコングルエントの LiNbO³結晶の定常状態成長で成長速度を5mm/hか ら40mm/hに突然変化させた時の結晶中のMg濃度の変化。(a)従来のコングルエ ント成長。Mg量は速度変化のところで顕著に変化する。 (b)真のコングルエント成長。組成変動が見られない。

表面プラズモン共鳴により金属ナノ構造体界面近傍に発生する高強度局在電場を駆使した有機分子の可逆的濃集・結晶化

表面プラズモン共鳴により金属ナノ構造体界面近傍に発生する高強度局在 電場を駆使した有機分子の可逆的濃集・結晶化。結晶化の精密制御を達成しただけ でなく、自然結晶化では見られなかった結晶の新しい溶解プロセスを観測した。

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