物質創製研究部

構造制御機能材料学研究部門

Tetsu ICHITSUBO

教授市坪 哲

  • 准教授 岡本 範彦
  • 助教 谷村 洋
  • 助教 河口 智也

組織構造制御で新機能を発現する新材料の開拓

 本部門では、熱・統計熱力学、材料組織学、微視的弾性力学、電気化学などの学問に立脚し、放射光・X線・電子線構造解析、フェムト秒レーザーポンププローブ反射率測定、高周波内部摩擦測定や超音波共鳴法などの手法に基づいて「材料組織構造を制御することにより新機能を発現する材料開発」を目指します。

 具体的には、固体‐固体相構造相転移の組織形成ダイナミクスの解明と外場印加による組織制御に関する研究、メガヘルツ振動を用いた金属ガラス構造不均一性に関する研究やその類似体ともいえるハイエントロピー合金の構造緩和と強度特性、チタン合金の相変態機構解明とそれを利用した材料設計等、蓄電池系における電極材料組織学の構築および革新的蓄電システムの開発、光誘起相変化材料の高速アモルファス化機構の解明、高効率熱電材料の設計、などを研究対象にし、新たな機能性を発現する新材料を分野横断的に研究開発する事を目指します。

相転移組織形成学、電極材料学、アモルファス材料、マイクロメカニクス
金属ガラスのβ緩和と共鳴する超音波振動下での結晶化組織と構造不均一性およびそのフォノン分散概略図

(左)β型チタン合金(Ti-V)に見られるnmサイズの無拡散等温ω相の走査透過電子顕微鏡像。挿入図はβω変態素過程に対応する内部摩擦の温度依存性で、低温時効によりβ不安定領域において無拡散等温ω相変態が進行すること、また少量のSn添加によってβ不安定領域が減少しω変態が抑制されることを示している。

(右)不規則岩塩型構造を有するマグネシウム蓄電池正極材料の動作機構。初回充電時にLiが脱離し空孔ができる(左上⇒右上)。生成した空孔を利用することで、その後の充放電時にはMgが可逆的に挿入・脱離する(右上⇔右下)。 なお、Mg以外の元素(M)の最低平均価数を制御することで、すべての空孔にMgが入り電極が不活性になることを回避する(左下)。

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