学生対談

金属材料研究所の研究室を選んだ理由や、実際に配属されてからの生活、研究に対する想いを、所属専攻も志望理由もさまざまな4人の学生達に生の声を聴いてみました。

(左から)
木元 悠太  理学研究科物理学専攻 小野瀬研M1
久保田 真彩 工学研究科材料システム工学専攻 新素材共同研究開発センターM1
千葉 柊矢 工学部機械知能・航空工学科量子サイエンスコース 秋山研B4
岩本 空 工学部機械知能・航空工学科量子サイエンスコース 笠田研B4

金研の研究室に決めたきっかけを教えてください。

大型の実験装置をすぐに使えて、環境・設備ともにすばらしい(木元)

木元 学部1年生の時に、基礎ゼミで片平キャンパスの研究室のテーマを受講したこがきっかけです。研究所のカッコイイ雰囲気に魅了されて、将来は片平で研究できたらいいなぁと。物理学科では4年生直前に研究室配属があるのですが、スピントロニクスなどの物性分野に興味があったので、金研の研究室の何処かに行こうと決めていました。実際に研究室見学をしたとき、大型の実験装置など環境面もすばらしかったです。

久保田 工学部マテリアル・開発系では、修士進学時に金研などの片平の研究室を選ぶことができます。家から近いところが良いなということで片平の研究室に絞って、先輩方の研究室紹介を見て、いくつか気になる研究室をピックアップしたあとに実際に見学して決めました。もともと医療材料に興味があったことと、学生の数が少ないので丁寧に指導して頂けると思って、金研の研究室を選びました。

千葉 研究室選びをかなり遅れて考え始めました。材料系か医工学系かで最後の方まで悩んでいました。きっかけとなったのは、機械知能・航空研修Iという研究室毎に分かれて実施される研修で、材料系の研究室に行ったことです。2月に開催されるはずだった研究室公開がコロナで実施されなかったので、自分でWEBサイトを調べたりしました。

機械知能・航空工学科は、学部の3年生から金研に入れます(岩本)

岩本 学部2年生になって青葉山で講義を受けるようになって、研究室は片平で探そうと思いました。機知では片平の研究室が10 くらいあるのですが、そこで初めて東北大には歴史ある金研があることを知りました。コロナ禍で研究室見学ができない中で、笠田先生がYouTubeライブを行ったのをみて、楽しそうだなと思ったのもきっかけのひとつです。女性の先輩が在籍していたのも大きかったです。

実際に金研で研究を始めてみてどうですか?

木元 研究活動は初めてのことばかりで何もわからないし、テーマも何度か変えて大変なこともあったけど、色々と技術を覚えていく中でできることも増えて、最近面白そうな結果が取れだしているところです。微細加工装置や強磁場センターの超伝導マグネットなど大きな装置を近くですぐに使えるのが良いです。

日本の大学では唯一の実験装置を使える貴重な経験ができています(久保田)

久保田 私は人工関節に使うチタン合金の耐摩耗性、抗菌性などの新機能付与に関する研究です。日本の大学には一個しかないような装置を使わせてもらっているのが貴重な経験です。

千葉 研究室での教員の数が教授1、准教授1、助教2と多く、様々な観点でサポートして頂くことができるので、視野を広げながら卒業研究を進められています。

岩本 笠田研は博士課程後期の学生が多いので、知識と経験が豊富な先輩にきくこともできます。

木元 理学部系でも、金研の研究室にはドクターが多いように思えます。

金研の研究室を選んでデメリットを感じたことはありますか?

久保田 建物が古いということかなぁ。マテリアル・開発系の建物は青葉山の方が新しいです。あと、就職活動関係とか授業で青葉山に行かなくてはならないのは少し面倒です。青葉山の同期との繋がりが少なくなりがちなので、自分からごはんに誘ったりしてます。木元 研究室の学生数が少なくなりがちというところですかね。理学部物理学科では、金研全体での配属数が4、5名なんです。金研のことを知らない学生も多いので、内部で修士から来る人も多くはないです。

岩本 今はオンラインが多いので正直助かっているところもあります。街中に研究室があることで、生活が近くで完結できるので研究に集中できるのは良いところです。

千葉 スーパーが近くにあるので、自炊も捗りますね。

岩本 帰りが遅くなっても明るいのが安心ですね。

将来のビジョンは?

木元 自分の研究をしっかりやって成果を出すことが直近の目標です。将来的には、アカデミックかにはこだわらず、自分のプロフェッショナルなスキルや知識で働きたいなと思っています。

久保田 医療材料を研究で扱っていることもあり、医学部や歯学部の他分野の方と話すことで、興味が広がったので、他分野とも協力できる技術者や研究者を目指しています。

研究職に対する理解が深まり、進路の選択肢が広がりました(千葉)

千葉 やはり、研究室の中だけではなく、外部の方と一緒に研究していることもあり、研究職に対する理解が深まったと思います。進路について、今後の選択肢が広がりました。

岩本 留学生の先輩の将来のビジョンが明確だったことにハッとして、最近は目標を設定してバックキャストするように意識して行動しています。

後輩に向けてのアドバイスをお願いします。

木元 研究室選びは、今後の数年間を決めることなので、実際に行ってみて雰囲気を感じることは大事だと思います。小野瀬研に決めた理由のひとつに、先生の人柄に惹かれたというところもあります。

久保田 マテリアル・開発系の学生は、青葉山から片平に研究室を変えて新しいテーマに挑戦することに不安とかあると思いますが、歴史と最先端が同居する金研を見て欲しいです。異なる研究室の文化を感じるのも良いと思います。

岩本 機械知能・航空工学科は、学部の3年生から金研に入れるので、チャンスを活かしてほしいと思います。穴場的ですし(笑)。

千葉 研究室選びを真剣に考えていなかった側の人間としては、皆さんのお話を聞いて、やはり早いうちに調べておいた方が良いと今更ながら思いました。

木元 理学部では、金研のことを知らない学生も多いと思います。基礎ゼミなどの機会を大事にするのが良いと思います。

岩本 東北大学のオープンキャンパスで研究室見学をしましたが、金研としては参加していないようですね。学部生向けの授業を持っている先生も金研には少ないようですし、オープンキャンパスや片平まつりのような機会を活用してもらえると良いと思いました。

―皆さん、色々な話をありがとうございました。

対談日時:2021年12月
※所属、学年はインタビュー当時のものです。