本部門では合金における組織形成から酸化物薄膜まで 幅広い材料を対象に、物質の不定比性が物性や相変態に 及ぼす影響を調べています。そのため、収差補正高分解能 TEM・STEMなどの最先端電子顕微鏡法を解析手段とし て用い、金属・無機系構造・機能材料の電子線ナノイメージ ングに基づいた原子レベルでの研究を行っています。
社会基盤材料系の研究テーマとして、Mg・Alなどの軽 金属合金やCu合金における相変態と組織形成メカニズ ムの解明、機能性材料系の研究テーマとして、強誘電体・ イオン導電体酸化物薄膜などの電磁気的性質発現・ナノ 組織形成メカニズムの解明を進めています。また、原子分 解能での界面・格子欠陥の構造解析、位相再構築による内 部ポテンシャルの解析、高分解能像の幾何学的位相解析 による局所弾性場のイメージング、原子レベルでのその場 観察、3Dトモグラフィーによる3次元構造解析、さらに電 子線エネルギー損失分光(EELS)などの最新の電子顕微 鏡技術を応用した研究を行ってます。そして、構造・機能材 料のナノ組織形成メカニズムを総合的に理解することに より、新しい材料プロセス設計への指針を得る取り組みも 行っています。
材料プロセス・評価研究部
不定比化合物材料学研究部門

教授今野 豊彦
- 准教授 木口 賢紀
物質の構造安定性において不定比性が果たす役割とナノ空間のイメージングによる材料の組織・機能の探求
相安定性、電子顕微鏡、不定比化合物

酸素原子の微小変位や、自発分極の直視観察を実現したPbTiO3 強誘電体薄膜の原子分解能TEM像

PbTiO3 強誘電体薄膜のナノドメイン構造の定量歪みマップ